法名と帰敬式

 

「私もそろそろ法名をいただきたいと思っているんです。」

 

月参りの際に、正信偈のお勤めを終えてお茶をいただいていると、八十代女性の御門徒さんがおっしゃいました。私はどうしてそう思われたのか尋ねました。

 

「亡くなってから名づけられても自分で名前がわかりませんから。それに法名をいただくことが心の安らぎになるように感じます。」

 

 法名とは仏の教えを聞いて生きてゆく者の名のりです。葬儀の際にいただく名という印象があるかもしれませんが、本当は生きている間に自らの意思で帰敬式を受式し、いただくのが法名です。

 

 私たちは誰もが名前を持っています。私自身の名前は朝倉奏であり、長男は久遠、二男は銀弥です。私の両親は願いを持って奏と名づけてくれましたし、私も子どもたちには願いや意味をこめて名前をつけました。その家族や様々な縁がある方の思いがこもった自らの名前に対し、法名は仏さまの願いをいただいて生きる者としての名前なのです。仏さまの願いとは私たち一人ひとりがしっかりと人生の意味を見出し、空しくない人生を歩んでほしい、自分が大切ないのちを生きていると自覚してほしいということではないでしょうか。その願いを伝えているのが仏教であり、その教えを聞くことを大切に生きてゆくと表明するのが帰敬式なのです。

 

 先の女性のご要望に応えて金宝寺では初めてとなる帰敬式を三月三日に開催します。この機会に法名をいただきたいとお思いの方はぜひお申し込みください。三月三日は新年の金宝寺の行事が始まる、定例始めの日でもあります。法話講師は金宝寺住職で、お昼にはおいしい手作りのお斎もあります。帰敬式を受式して法名をいただきたい方、帰敬式をご覧になりたい方、定例布教にお参りしたい方、どなたもお越しください。法名については住職に考えてもらうことも、御一緒に相談して決めることもできます。詳細は同封されている金宝寺行事始めのご案内と、帰敬式のご案内をご覧ください。

 

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コメント: 3
  • #1

    佐々木憲雄 (土曜日, 15 2月 2020 05:39)

    素晴らしい実践です。心から応援しています。

  • #2

    朝倉奏 (土曜日, 15 2月 2020 15:37)

    応援ありがとうございます。
    お陰様で15名ほどの方から受式申込をいただきました。
    こんなにも多くの方が仏の教えを聞いて生きてゆこうと思っていらっしゃるのですね。

  • #3

    倉井光弥 (月曜日, 17 2月 2020 10:44)

    法名はいくら説明しても「そうですか。戒名ってもらえるんですね!」という話になってしまうほど、意識の定着に時間を要しています。
    実際にいただくのが一番ですが、その場で一緒に見るのもとてもいいことだと思います!
    素晴らしいと思いました!

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