新潟市には現在、三〇か所以上の子ども食堂があります。そのうち半分以上が感染対策をとって食事を提供したり、お弁当配布に形態を変えたりして再開しています。ですが、金宝寺で開催していた子ども食堂、てらこや食堂は休止中です。それはご飯を食べにいらっしゃる多くの方が、食事をとることだけが目的なのではなく、友達とおしゃべりを楽しみにしていたり、子どもを遊ばせてあげたいと思っていたりと、交流の場として足を運んでおられるからです。困難な環境にある方に、食事を提供するという目的が第一であれば、多少無理をしてでも開催することを考えたかもしれません。ですが、地域の居場所、触れ合いの場として、てらこや食堂が運営されてきたことを考えると、食事中の会話は避け、ソーシャルディスタンスを保つことが求められる現状では再開しないということを、スタッフで話し合って決めました。多くの方に栄養たっぷりのおいしいご飯を食べてほしい、喜んでいる子どもたちの笑顔が見たい、という願いを持つ私たちには、苦渋の決断です。
再開したいけどできない。この状況で私たちにできることは何か。私たちは相談して、ひとり親家庭に食料を届ける取り組みを始めたフードバンクに昨年、十万円を寄付しました。もともと経済的に恵まれている方が多いわけではないひとり親家庭にとって、コロナ禍のダメージは大きいようです。その支援を行うフードバンクも資金が潤沢にあるわけではなく、苦境にあると知りました。そこで私たちは今年もう一度、同額の寄付を決めました。
寄付の出どころは、てらこや食堂の運営資金の積立金です。それは調理スタッフの方が工夫して、百食を三千円の食材費で作ったこと。子どもたちに食べてもらってくださいと野菜やお米など、様々な食材をいただいたこと。応援していますと寄付をいただいたこと。そんなたくさんの温かい気持ちが積み重なったものなのです。
たくさんの方に支えられて、てらこや食堂は続いてきました。今は休止中ですが、必ず再開したいと思っています。それまでただ待つのではなく、誰かを支えることができるよう、私たちにできることを、これからも考えていきます。
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ベンジー (月曜日, 27 12月 2021 15:33)
コロナ禍が早く過ぎ去って欲しいですね。