二年間の休止を経て、四月からてらこや食堂が再開しました。子どもとスタッフ合わせて百人もの参加があった以前のようにはできませんが、本堂で宿題やテスト勉強をする、無料塾TERAKOYAの利用者と、そのご家族に限定して食事を提供しています。高校生、中学生と小学生の食べ盛りの子どもたちが、調理スタッフが愛情をこめて作った栄養満点の料理を、もりもり食べるのは、見ていて爽快です。
コロナ禍にあって多くの子ども食堂が休止に追い込まれました。そんな状況下で、お弁当配布や食材提供(フードパントリー)に形を変えて再開した所もあります。しかし金宝寺の子ども食堂は参加者が集い、みんながそろっていただきますをしてご飯を食べ、交流することを大切にしてきました。そのためスタッフによる運営委員会を持って話し合い、みんなで食事をすることができない状況では、開催せずにいました。コロナ禍が長期化する状況で、いつになったら再開できるのかという不安も、焦りもありました。今では感染が落ち着き、新型コロナウィルスへの恐怖も少しずつ和らいで、再び子どもたちに出来立てのおいしい食事を食べてもらえる日を迎えられたことを、本当にうれしく思っています。
無料塾では黙々と問題集を解く子もいれば、手ぶらで来てマンガを読んでいる子、テスト勉強で疲れたからとソファーで居眠りをする子もいます。学校や塾、部活、家庭は楽しく、充実した時を過ごすこともあれば、苦労し、悩みを抱くこともきっとあるでしょう。そこから離れて、思い思いに過ごし、友達とおしゃべりして、おいしいご飯を食べ、スタッフに声をかけられ、気分転換して明日からの一日を過ごしていこうと思う。そしてその様子を見たスタッフも元気になる。月に二回の、てらこや食堂と無料塾TERAKOYAは、そんな普段の生活の場から離れて一息つける、地域の居場所でありたいと考えています。それは良いことがあったときも、辛いことがあったときも足を運び、話し、食べて、安らぐ、そんなお寺としての本来の、そしてとても大事な役割を果たせているのではないかと感じています。
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