話を聴く子に育つには

 長女の通っている子ども園は、お迎えに行くと、その日の長女の様子を聞かせてくれます。そのときの保育士さんの表情や言葉の端々から、子どもへの愛情が感じられて、天気が良ければ欠かさず公園に連れて行き、どろんこ遊びやボディペインティングなど、家では後片付けの負担からできない遊びをさせてくれる、素晴らしい子ども園です。その園から先日、園長便りが届きました。そこには、小学校の先生への調査で、入学前に身に着けてほしいことで最も多かったのは「聴く態度」だったとありました。そして園長先生は話を聴くように指導することが必要なのではないとおっしゃいます。なぜかというと、聴く態度は、自分がじっくり話を聴いてもらってうれしいと感じたり、誰かの話を聴いて楽しいと感じたり、友達とたくさん言葉を交わし合ったりといった、肯定的な経験の蓄積を通じて徐々に培われるものだからとのことでした。改めて、良い子ども園に通わせてもらって幸せだと感じました。

 先日、妻の実家の法事があり、子どもたちを連れてお参りしました。そこで妻の親戚から「こんにちは」と言われても挨拶をしない長男二男が、情けなく、親として恥ずかしいようで、ちゃんと返事をしなさいと叱るように言ってしまいました。私は三人の子どもたちに、しっかり挨拶をし、感謝の気持ちを伝えられる子になってほしい、そして仏さまに手を合わせる人になってほしいと考えています。ですが、それはきっと親から強いられて、できるようになるべきではないのでしょう。おはようと言って抱きしめてもらった、ありがとうとほほ笑まれて温かい気持ちになった、家族そろってお参りをした、そんな経験が積み重なり、自発的にできるようになるのだと思います。叱られる恐怖心から親の言うことを聞くのではなく、うれしかった体験、幸せな経験、大切な思い出の中から学び、自主的に考えて行動できる、そういう人に育ってくれたら、親としてはうれしい限りです。叱らずに、前向きな声かけをする、なかなか私には難しいことです。悩んで、反省して、学んで、また失敗して、三人の子を育てています。

 

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コメント: 2
  • #1

    じょーじゅ (月曜日, 08 1月 2024 22:24)

    「聴く」は自ら耳を傾けること「聞く」は自然に聞こえる音と認識しています。
    聴くことは意識しないと聴けませんよね。聴いて楽しく感じたり、聴いて共感したり…
    園長先生は素晴らしい人ですね。

    挨拶に関しては私も挨拶できる人になってほしいという願いはあります。
    子どもの頃よく「勉強しなさい」「これはダメだよ」と言われたものです。
    今となっては私を想って言ってくれたんだと思えますが、子どもには苦痛でしかありません。否定から入るのではなく、「勉強嫌だよね、気持ちわかるよ」「これがいいのね」と子どもの気持ちを受け止めるようにしています。
    挨拶も同じでできないことを叱るのではなく、「挨拶したらみんな嬉しくなるよ」と言い方を変えて伝えています。
    大人は子どもを想うがゆえについきつく言ってしまいますよね。私もそういう時あるのでわかります。子どもも大人に対して同じことを思うのではないでしょうか。

  • #2

    朝倉奏 (水曜日, 10 1月 2024 15:53)

    じょーじゅさん

    前向きな声かけが大切だとわかっていながら、ついつい厳しい言い方をしてしまい、反省してばかりです。
    年始にも「明けましておめでとうございます」が言えない我が子に、他の子と比較して「いつになったら言えるようになるんだか」と嫌味を言ってしまったところです。
    「挨拶したらみんな嬉しくなるよ」と、伝えようと思います。

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